2020.06.12
英国:重要な「ハイタッチ系」職種の一部、低賃金や在宅勤務不可で苦境に
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英国王立芸術・製造・商業振興協会(RSA)は2020年4月20日、業務中に人との接触が多い「ハイタッチ系」職種の多くが在宅ではできないもので、在宅勤務できない人ほど低賃金や経済的不安定に苦しむ傾向があるという分析結果を発表しました。これは、国家統計局の労働力調査データを元にRSAが行なった過去10年の職種従事者動向分析に基づいたものです。
分析結果によると、ハイテク系など英国経済で急成長している職種には在宅勤務ができるものが多い一方、介護士、看護師、運送ドライバーなど、在宅勤務ができない重要な職種も増加しています。また、在宅勤務できる人の多くが高報酬や手厚い年金を受け取り、雇用は安定し、キャリアアップの機会が多い傾向にあることも明らかにされました。
技術の進化と新型コロナウイルス感染のパンデミックによってテレワークへの移行が進んでいますが、在宅勤務が不可能なハイタッチ系職種には、英国政府が「キーワーカー(市民生活維持に必要不可欠なサービス従事者)」とみなす職種も含まれています。
RSAは、「我が国のインフラが円滑に回るために働いたり、最も脆弱な人々を世話している人たちは適正な報酬を得ていない」と指摘しています。英国内では全キーワーカーの賃金3割増などを求める署名運動も展開されています。
- この記事について詳しくはこちら(英語)
https://www.thersa.org/discover/publications-and-articles/rsa-blogs/2020/04/low-pay-lack-homeworking - 参考(記事内で言及した職種従事者動向分析調査):WHAT NEW JOBS WILL EMERGE IN THE 2020S?
https://www.thersa.org/discover/publications-and-articles/rsa-blogs/2020/01/new-jobs-2020s