急成長の「代替たんぱく質食品」、健康や環境面でさらなる改善が期待される
Appetite for Disruption
https://www.fairr.org/article/appetite-for-disruption-a-second-serving/
家畜伝染病や二酸化炭素排出の問題解決の鍵として、代替たんぱく質食品が注目されています。英国の畜産関連の投資家イニシアチブ「FAIRR(the Farm Animal Investment Risk & Return)」が2020年7月に発表した報告書によると、2020年前期だけで代替たんぱく質分野へのベンチャー投資額は11億ドルに上り、2019年の投資額のほぼ2倍に達しました。
同報告書では、食品関連企業25社で代替たんぱく質食品に関する調査が行われました。そのうち18社が年次報告書などに「植物性」や「ビーガン(完全菜食)」という言葉を盛り込んでいることから、主流食品になりつつあることが伺えます。食品メーカーのネスレが中国に1億ドル規模の植物性食品工場の建設計画を発表したほか、コーヒーチェーンのスターバックスがフードテック企業「ビヨンドミート」などと提携し、中国で植物性食品メニューの販売を開始しました。
急成長が予想される分野ですが、健康や環境面はどうでしょうか。販売が開始された植物性代替肉のバーガーパテについて、消費者の間では加工材料や栄養について懸念が高まっています。また、畜産を含む二酸化炭素排出量の削減目標を設定している企業は25社のうち12社にとどまることから、さらなる改善が必要と思われます。
代替タンパク質食品には日本では昔から大豆から作った豆腐や豆乳がありますが、材料には豆類や果物、野菜、穀物といった植物性のほか、最新技術を駆使して開発されている細胞培養された肉やシーフードなどがあります。
(佐々 とも)
- FAIRRの報告書「Appetite for Disruption」はこちら(英語)
https://www.fairr.org/article/appetite-for-disruption-a-second-serving/