2020.09.08
住宅改修計画は、雇用創出と二酸化炭素排出削減を後押し:ニューエコノミクス財団による試算
「870万戸の住宅を2023年度までに改修することで、50万以上の雇用が創出され、家庭の二酸化炭素排出は21%減ると見込まれる」ーーこのような試算が、2020年7月7日に、英国のニューエコノミクス財団(nef)から発表されました。この改修計画は、家庭の光熱費を削減する上に、新型コロナウイルスの失業対策にもなります。
この計画で見込まれる具体的な効果は、以下のとおりです。
雇用の創出:2021年末までに、住宅改修関連の産業で20万6千のフルタイムの労働時間に相当する雇用が英国全土で創出されます。間接的に新たに創出される雇用まで含めると、2020年から2024年の間、平均51万5,000の雇用が維持される見込みです。また、新たに生まれる直接的な雇用は、2020年から2024年までの建設業の全雇用の22%に相当します。
国民所得の向上:この計画により、コロナ以前に行われた経済予測と比較すると、2021年末までに279億6000万ポンド、2023年度までに363億4000万ポンド、GDPが増加する可能性があります。
家計費の削減:2023年度までに改修を終えた住宅では、年間約418ポンドの省エネが見込まれます。
二酸化炭素排出の削減:2023年度までに、約19.23メガCO2トン/年の排出の削減が見込まれます。これは2019年の英国の家庭からの排出の21%に相当する量です。2023年度までの累積は40.9メガCO2トンとなります。
(新津尚子)