ユニセフ、子どもの幸福についての報告書を発表:日本は生活満足度や社会的スキルに課題
Worlds of Influence: Understanding what shapes child well-being in rich countries
https://www.unicef-irc.org/publications/pdf/Report-Card-16-Worlds-of-Influence-child-wellbeing.pdf
(国連児童基金より)
イタリア、フィレンツェ/米国、ニューヨーク発―国連児童基金(ユニセフ)は2020年9月、『子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か』を発表しました。
この報告書は、EUとOECDの加盟国を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大前のデータを用いて、子どもの精神的幸福度、身体的健康、学業・社会的スキルなどについての「成績」を公開しています。総合成績のトップ3は、オランダ、デンマーク、ノルウェー。日本は比較可能な38カ国中20位でした。
主な内訳は以下のとおりです。
精神的幸福度・身体的健康
「生活に満足している」と回答した子どもたちが80%以上いたのは、オランダなど10カ国にとどまりました。生活満足度が最も低かったのはトルコ(53%が満足と回答)、2番目に低かったのは日本(62%)でした。一方で日本の子どもの肥満率は最も低く、「身体的健康」は1位でした。
学業・社会的スキル
全体では平均40%の子どもたちが、15歳までに基本的な数学・読解力を身につけていませんでした。最も習得率が低いのはブルガリアの32%、最も高いのはエストニアの79%でした(日本は73%で5位)。また「友達がすぐにできる」と回答したのは、一番高いルーマニアで83%。ルーマニアでも約20%の子どもたちが、友達を作る社会的スキルに自信を持っていません。なお、日本の子どもたちで「友達がすぐにできる」と回答したのは69%と、下から2番目でした。
(新津 尚子)