（DIW Berlinより）

ドイツは2020年８月中旬より、初の無条件ベーシックインカム（UBI）実証実験：「私たちは知りたい」を開始しました。この実験はドイツ経済調査研究所（DIW Berlin）とMein Grundeinkommen associationとの合同プロジェクトで、無条件ベーシックインカムに関して、現状に即した科学的実験データに基づく議論の口火を切り、新たな基準の設定を目的にしています。

第一段階は2020年８月半ばに開始され、1500名の被験者が採用されます。そのうちの120名が無作為に選ばれ、一人当たり月額1200ユーロ（約15万円）が３年間、無条件に支給されます。残りの1380名の参加者は、この調査で認められた変化が実際にベーシックインカム（BI）によるものであることを確認するための比較群として機能します。

ドイツに居住権のある18歳以上の人ならだれでも調査に参加申請ができます。BIを受け取る参加者は、BIに加えて自由に収入を得ることができます。応募者は、連絡先情報、性別、世帯の人数、世帯の子供の数や、学歴、純収入など全体的な生活状況についてオンラインでの全質問に答えなければなりません。

この調査は、参加申請した人が100万人に達した段階、あるいは2020年11月10日（その時点までに登録した人の人数）に始まる予定です。調査では、応募者の数が多く多様性に富むほどデータ品質が向上するため、大勢の申請者が必要です。

無条件ベーシックインカムは2021年の春に支給が始まります。3年間の調査期間中、各参加者は、雇用、時間の使い方、消費行動、価値観、健康などについてオンラインでの質問に回答することになります。

（有光圭子）