OECD PISA報告書:生徒のグローバル・コンピテンスを初評価 結果に男女差あり
PISA 2018 Results
https://www.oecd-ilibrary.org/docserver/d5f68679-en.pdf
(経済開発協力機構より)
経済開発協力機構(OECD)は2020年10月22日、正規教育を最低6年間受けた15~16歳を対象とした生徒学習到達度調査(PISA)で初めてグローバル・コンピテンスを評価し、結果で男女差があることが明らかになったと発表しました。
調査では、グローバル・コンピテンスを、地域・地球規模・異文化間の問題について考える力、他者の視点や世界観を理解・認識する力、異文化間でオープンかつ適切で効果的に対話する力、共同体の幸福や持続可能な開発のために行動を起こす力の4つを含む力と定義しています。
評価は、生徒の知識やスキルを測る認知テストと、生徒、教師、保護者、校長に対して生徒の態度・知識・スキル、学校での学びの機会などに関するアンケートで行ないました。今回のテストは27、アンケートは66の国・経済圏で実施されましたが、日本では実施されませんでした。
その結果によると、テストでは、スコットランドを除き、全ての国・経済圏で得点が高かったのは女子でした(平均点差26点)。学習機会に関しては概して、公衆衛生や経済、環境といった地球規模の問題について自分の意見を表明・議論することが期待される活動には、女子よりも男子の方が多く参加していました。
一方、異文化間理解・コミュニケーションに関する活動に参加していると報告したのは男子よりも女子の方が多くいました。
このような学習機会の男女差について同報告書は、「個人的関心や自己効力感だけでなく、男子・女子が家庭や学校でそれぞれどのように育てられているかを反映している可能性がある」と指摘しています。
(たんげ ようこ)