2021年版世界ジェンダーギャップ報告書:コロナ禍、女性への影響が大
Global Gender Gap Report 2021
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2021.pdf
(世界経済フォーラムより)
世界経済フォーラムは2021年3月30日、2021年版世界ジェンダーギャップ報告書を発表しました。今年は156カ国を対象に、経済、教育、健康、政治の4分野で男女格差を指標化しランキングしています。
世界の平均指数は68%(100%を完全な男女平等とした際の達成度)で、前回(68.6%)よりわずかに後退しました。現在のペースでは、世界の男女格差を縮めるには136年かかると試算されています。
世界で最も男女格差の小さい国はアイスランド(89%)で12回目の首位。2位:フィンランド(86%)、3位:ノルウェー(85%)と、北欧諸国が上位を占めています。日本は120位(65%)。政治や経済分野での格差が依然として大きく、昨年に続き主要7カ国で最下位でした。
今回の報告書は、新型コロナ感染症のパンデミック宣言後1年余で発表されています。コロナ禍で、女性はエッセンシャル・ワーカーとして危機に対処する最前線にありながらも、失業や将来的な再雇用、収入面などで男性より一層深刻な影響を受け、縮まっていた差が部分的に再拡大しています。
回復戦略としては、労働市場に長期の傷跡を残さぬよう、2020年に拡がった差を縮めることが極めて重要としています。包括的で、レジリエンスのある男女平等の経済を築くには、開放的な職場への投資や平等な医療制度の構築、指導的地位への女性登用の促進、技術の学び直しや配置転換へのジェンダー視点の反映など、指導者にはかつてないほどの機会があるとしています。
(有光圭子)