都市のサーキュラー・エコノミーの発展に向けた五つの戦略
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イクレイ(持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会)は現在、世界各都市でサーキュラー・エコノミー(循環経済)への移行を進めるために、五つの相補的戦略「サーキュラー・シティ・アクションフレームワーク」を提唱しています。
五つの相補的戦略
1.リシンク(Rethink)
システムを再設計しよう――循環システムを構造的に支え、バリューチェーンの構築方法を見直し、直線的なインセンティブを廃止します。
事例:米国のポートランドは、気候変動対策の一環として、2030年までに住民の90%が徒歩や自転車で食料の買い出しなど、毎日のニーズを満たせるよう、住宅地の整備を目標に掲げています。
2.リジェネレイト(Regenerate)
自然と調和しよう――すべてのインフラと生産・消費システムを確実に地元の資源・養分の循環に貢献するものにし、生態系の再生率を尊重します。
事例:米国のニューヨークは、飲料水の水質を汚染されてない、きれいな状態に保つために都市と農村間のパートナーシップを通じて、生態系サービス戦略を実施しています。
3.リユース(Reuse)
もっと長く使おう――今ある資源や製品、インフラの使用年数を延ばします。
事例:オーストラリアのブリスベンは、市民が修理や再生の技術を学べる、リユースとアップサイクルのワークショップや説明会を定期的に行っています。
4.リデュース(Reduce)
より少なくしてより良くしよう――生産時や使用時、使用後に、材料・エネルギーの消費と廃棄物の発生を最低限に抑えるインフラや工程、製品を設計します。
事例:カナダのヨークはスーパーマーケットやレストランと協力して、食料廃棄の監査を実施し、廃棄物削減の試験的取り組みを行っています。
5.リカバー(Recover)
循環させよう――製品の使用後に材料を回収して、生産工程に再び取り入れることを促進します。
事例:モザンピークのケリマネは、11のマーケットから有機性廃棄物を集めるプロジェクトを実施しています。集められた有機性廃棄物は、地元の堆肥化施設で堆肥になり、近隣の庭に配られます。
(佐々 とも)
- イクレイの「サーキュラー・シティ・アクションフレームワーク」について詳しくはこちら(英語)
https://circulars.iclei.org/action-framework/ - 参考:サーキュラー・エコノミー(循環経済)
https://www.ishes.org/keywords/2018/kwd_id002547.html