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世界
2021.06.11

市長主導ベーシックインカム実証実験の中間報告:米国ストックトン市

(SEEDより)

米国カリフォルニア州ストックトン市では、全米初の市長主導による収入保証のベーシックインカム「ストックトン・エコノミック・エンパワーメント・デモンストレーション(SEED)」の実証実験が行われました。

前市長のマイケル・タブス氏が2019年2月に開始したSEEDは、ストックトン市の住民125名に24カ月間、月額500ドル(約5万4000円)を支給するもので、その使途は自由です。受給者は18歳以上、世帯の平均収入が約500万円以下の地域に住んでいることが条件です。

主な調査課題
  • 収入保証は収入の不安定さにどのように影響するか?
  • 収入の不安定さにおける変化は精神面での健康や精神面以外の状況にどのように影響するか?
  • 収入保証はその人の将来にどのような働きを生み出すか?
2021年3月、初年度(開始~2020年1月までのパンデミック以前の期間)の調査結果が発表されました。
主な結果
  • 給付金によって、家庭が直面している月々の収入の変動が減少した。
  • 受給者はフルタイムの雇用を見つけやすくなった。
  • 受給者は落ち込みや不安が減り健康的になり幸福感も強まった。
  • 給付金によって経済的不足が緩和され、自己決断や選択、目標設定、リスクを引き受けるための新たな機会が生み出された。

タブス氏は、「貧困は最大の課題。私たちが取り組む問題はどれもその貧困に端を発している」と語っています。だれでも経済的安定を受けるに値します。SEEDは、収入保証がそれを実現する1つの方法であることを証明しています。

(有光圭子)

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