報告書:植物由来タンパク質食品業界にとって2020年は「記録破り」の年
2020 State of the Industry Report Plant-Based Meat, Eggs, and Dairy
https://gfi.org/wp-content/uploads/2021/05/COR-SOTIR-Plant-based-meat-eggs-and-dairy-2021-0504-1.pdf
持続可能で安全かつ公正なタンパク質供給のためのロードマップづくりを使命とする米国の非営利団体「グッド・フード・インスティテュート(GFI)」は2021年5月、2020年は植物由来タンパク質食品業界にとって記録破りの年であったとする報告書を発表しました。
同報告書によれば、2020年、世界の植物由来肉の小売売上高は前年の34億ドルから42億ドルへ増大しました。
米国では、植物由来肉・卵・乳製品市場が70億ドル強に拡大し、27.1%という前年比成長率は食品市場全体の約2倍でした。小売総売上額は前年比45%増の14億ドルで、初めて10億ドルの大台を突破。植物由来タンパク質業界への投資額は2019年の3倍以上、年間としては史上最高額となる22億ドルで、1980年以降の投資額合計の約半分となりました。
植物由来タンパク質食品に特化した企業、または特化した事業部署や商品ラインを持つ企業やブランドの数は全世界で800以上となり、外食産業も植物由来タンパク質商品を数多く展開し始めました。
技術面では、3Dプリンティングといった肉の筋繊維の食感を生み出す技術で進展があり、ステーキやフィレなどのホールマッスルミート商品が特に注目を集めました。
規制面では、欧州連合(EU)加盟国で「バーガー」といった従来の食肉用語を植物由来肉の表示に使えないようにする法案を欧州議会が否決するなど、欧米での植物由来タンパク質食品の表示をめぐる規制の動きで鍵となる勝利がありました。
(たんげ ようこ)