Corrency:デジタル通貨による地域経済復興プロジェクト
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新型コロナパンデミックが世界経済を脅かす中、チェコのキヨフ市では2021年4月26日、疲弊した地域経済を活性化させるための財政支援プロジェクト「Corrency」の実証実験が始まりました。
Correncyとは1つのシステムで、その特徴は実施する市政機関がその地域の必要に応じてルールを設定できることです。チェコの通貨と同等の価値を持つCorrentと呼ばれるデジタル通貨を支給し、受給者は登録された地元商店などでの支払いにCorrentを充て、それによって地域経済を循環、活性化させるという仕組みです。
実証実験の概要
受給条件はキヨフ市の住民。申し込みの先着最大2000人にそれぞれ400Correntが支給されます。Correntの有効期限はプロジェクト期間の30日間で、市に登録された地元商店や劇場、レストランなどで払う金額の50%に充てることができます。商店などは後日Correntをチェコ通貨に両替します。
このプロジェクトは、パンデミックの第一波が始まった2020年の春以降、休業や閉店などで停滞する地域経済への対応から考え出されました。チェコ産業貿易省のサポートを受け、同プロジェクトを立ち上げたぺぺ・ラファージュ氏は、国民への一般的な財政支援の「ヘリコプターマネー」に対し、この支援を「ドローンマネー」と呼んでいます。一律給付などのヘリコプターマネーでは、給付金は浪費されたり貯蓄に回されたりと、支援対象になかなか届きません。それに対し、地域や対象をピンポイントに絞ったドローンマネーは、地域経済を活性化させる鍵となるとしています。
(有光圭子)
- この記事の原文はこちら(英語)
https://www.corrency.cz/en/