フードデリバリーを協同組合にするとどんなメリットがある?
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新型コロナウイルスの蔓延で外食がままならない中、インターネットを介したフードデリバリーの利用が急増しています。米国ケンタッキー州のレキシントンでは、協同組合という新しい形のフードデリバリーが登場しました。
米国のインターネットを介したフードデリバリーでは、飲食店と配達代行業者が提携し、飲食店は配達代行手数料(売上の約15~30%)を業者に支払うのが一般的です。また配達員は業者と契約を結び報酬を得ています。この仕組みでは、業者に支払う配達代行手数料が高い、配達員の報酬が安い、など不満の声が挙がっていました。こうした不満を解消するために結成されたのが、協同組合型のフードデリバリー「デリバリー・コープ」です。
デリバリー・コープは2020年夏、地元のレストランと協力し、定額制モデル(飲食店は月額300ドル、利用者は月額25ドル・配達無料)を立ち上げました。これらの資金は運営費や配達員の報酬に充てられます。配達員は不安定な雇用形態と言われる「ギグワーカー」ではなく、時給20ドルの常勤契約を結び、3カ月の試用期間を終えると健康保険に加入できます。現在、デリバリー・コープには8つの地元の飲食店が登録し、約400人が利用しています。
利用者は料理を楽しみながら地元のお店を応援でき、お店は常連客とずっとつながっていられ、配達員は常勤という安定した雇用を得られる。さまざまなメリットがある協同組合型フードデリバリーに今後、注目が集まりそうです。
(佐々 とも)
- 「デリバリー・コープ」のウェブサイトはこちら(英語)
https://delivery.coop/