ドライバー自身が会社のハンドルを握る:協同組合型配車サービス
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近年、オンライン上のプラットフォームを通じて短期的に働けるギグエコノミーが拡大しています。その代表格がウーバーやリフトといったライドシェア(自家用車の所有者と自動車に乗りたい人を結び付ける配車サービス)のプラットフォームです。時間や場所にとらわれずに働けるといった自由さが人気ですが、一方で利益の多くがプラットフォーマーに搾取され、生活賃金や休日の保障もないといった問題が浮上してきています。
そんな中で生まれたのがニューヨーク市の協同組合型ライドシェア、「ドライバーズ・コープ」です。ドライバー自身が会社の株を所有する株主となり、一人一人の意思が反映され、より多くの賃金がドライバーに配分される仕組みを目指しています。
ウーバーなど他社プラットフォームに立ち向かうため、2021年5月、ドライバーズ・コープの配車サービスアプリCo-op appの提供が開始されました。会社が得る手数料は、他社の25%から30%に対し同社は15%で、ドライバーはより多く稼げます。さらに大切なのは、他社ではその利益がウォールストリートなどの投資家たちの儲けとなるのに対し、協同組合ではすべての利益が配当という形でドライバーたちに還元されることです。
顧客への売り込みとしては、厳しい境遇を耐えているドライバーへの支援を第一に挙げていますが、顧客自身にも乗車料金が他社よりいくらか安いといった利点があります。また環境や地域への還元も念頭に、ドライバーたちが電気自動車を購入し易くなるよう、交渉も始まっています。
(有光圭子)
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https://drivers.coop/