自然素材の廃棄物から新たな素材を作るための「レシピ」集:マテリオムの取り組み
Materiom website.
https://materiom.org/
自然素材の廃棄物などを利用して、新たな素材を作り出すための「レシピ」を無料で公開しているサイトがあります。国際的なネットワークによるプロジェクトMateriom(マテリオム)です。
ウェブサイトを開くと、自然素材のみから作ることができる染料や編み物などに使う糸(ヤーン)など、2021年10月現在、100ものレシピが並んでいます。原料は、松かさ、サトウキビ、卵やくるみの殻など様々です。中には日本のタデ(蓼)の葉っぱを原料とするバイオプラスチックなど、日本由来の植物のレシピも掲載されています。
例えば、紫キャベツから作る染料の材料は、水1.5L、紫キャベツ250g、塩大さじ0.5杯、ステップ1はすべての材料を混ぜて30分間煮る、といった具合で、レシピには難易度も示されています。
なぜこうしたレシピを公開しているのでしょうか。マテリオムのビジョンと使命には次のように書かれています。「森に足を踏み入れてください。海に潜ってください。私達の周りのありとあらゆるバイオマスは、生きているものも、命を失ったものも、作られた住処も、すべて膨大かつ絶え間なく原料を生産しています。でも、森にはゴミの埋立地はなく、海に廃水はありません。何十億年にもわたり、供給方法、利用方法、分解方法、そして再利用の方法を他の生物たちが知っている成分から原料を生産するように、植物も動物も進化してきました。私たちは、今そこに注目する時です」
(新津 尚子)
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https://materiom.org/