持続可能では不十分、これからは再生力のある未来を目指す
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今日の課題は、炭素排出とコミュニティの健全性、生物多様性と社会正義、貧困と土地利用のように複雑に絡み合っています。英国王立芸術・製造・商業振興協会(RSA)はこれらの課題を別々に取り組むのではなく、経済から社会、環境までをひとまとめにとらえて生態系システムの健全性を築くために、「再生力のある未来――持続から共に繁栄へ」と題したプログラムを開始しました。
「再生(regenerative)」は、「自然は再生能力があるからこそ持続可能である」という発想をもとに昨今広まっている新しい考えです。このプログラムでは、これまでの「ただ持続させる」だけではなく、再生力をもってして「人もほかのすべての生命も繁栄する」未来が描かれています。
変革をもたらすカギとなる五つの「再考」とは?
1)原材料の採取・消費・廃棄という製品ライフサイクルの再考
2)幅広い変革の転換点に到達するのに必要な資源や力強さ、能力が必ずしもあるとは言えない草の根運動の再考
3)個人の購買時の選択を通じてのみ変革をもたらすことができる、という考えに基づく生活様式の再考
4)人とその他の生命のどちらも頼みにしている価値あるものを損なわせ、成長を優先する金融システムの再考
5)21世紀のシステムに必要な能力に欠ける指導者によるリーダーシップの再考
RSAはこのプログラムで、先駆的な研究と革新的なアイデア、実践的なアクション、そして世界中で活動する変化の担い手の多様なコミュニティを結び付け、生きとし生けるものが共に豊かさを享受できる未来を目指しています。
(佐々 とも)
- RSAのプログラムについてはこちら(英語)
https://www.thersa.org/globalassets/pdfs/regenerative-futures/regen_f_summary_all_final.pdf - *参考 「五つの再考」について(英語)
https://www.thersa.org/regenerative-futures - *参考「再生(regenerative)」について
https://www.ishes.org/project/responsible_econ/enquete/enq030_lovins.html