スウェーデン:シェアリングエコノミー実証実験 消費者は「価値の共創者」に
Sharing Cities Sweden: Key Findings and Amplifying Impacts
https://lucris.lub.lu.se/ws/portalfiles/portal/103493663/Synthesis_Report.pdf
環境先進国と言われるスウェーデンで、2017年から2021年までの4年間、都市部でのシェアリングエコノミー実証実験事業「シェアリング・シティーズ・スウェーデン(Sharing Cities Sweden)」が実施されました。
総額1,200万ユーロが投じられたこの国家事業では、ストックホルム、ヨーテボリ、マルメ、ウメオの4市が「シェアリングを可能にする社会的・技術的イノベーションをリアルタイムに設計・実験・学習する実験場」と位置づけられ、産学民官参画でさまざまなプロジェクトが展開されました。
各市ではモノ、サービス、場所などのシェアリングサービスを後押しする取り組みのほか、行動経済学や行政の役割などシェアリングに関する調査も実施され、知見や教訓をまとめた報告書が多く発表されました。また、市民がシェアリングエコノミーについて学ぶための無料オンライン講座も開催されました。
事業で得た知見などをまとめた統合報告書によれば、消費者はシェアリングする中で「受け身の消費者」から、都市や地域で持続可能な生活様式を共に創造できる「能動的な価値の共創者」へと役割が変わるとのこと。また同報告書は、「シェアリングは遊休資源の活用や延命、グローバルサプライチェーン依存の軽減、人や地域の活性化を促し、危機克服や都市部のレジリエンス強化に役立つ」とし、「行動変容をもたらす一番の方法は、インフラを通じシェアリングしやすくして環境をコントロールすること」と指摘しています。
(たんげ ようこ)
- この記事について詳しい情報はこちら(英語)
https://www.sharingcities.se/ - 参考資料:統合報告書 『Sharing Cities Sweden: Key Findings and Amplifying Impacts』
https://lucris.lub.lu.se/ws/portalfiles/portal/103493663/Synthesis_Report.pdf