増やそう! 防災外国人リーダー
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もうすぐ東日本大震災から11年、災害に対しては日頃からの備えが大切であることは、いうまでもありません。特に、日本語が不自由な外国の方は、災害時には情報を入手することも困難です。こうした状況を受け、さまざまな自治体や団体が、外国の方を対象とした取り組みを行っています。
例えば、滋賀県草津市では2015年度に外国人住民9名が、機能別消防団員(特定の活動、役割のみを担う消防団員)として任命され、基本的な訓練や災害に対する講習を受けています。
人口約13万5,000人の草津市には、約3,000人の外国人住民が暮らしていますが、日本語を全く話すことができない方もいるため、発災時の避難誘導などに支障が生じる可能性がありました。災害時に「支援を受ける側」になりがちな外国の方も、消防団員として訓練を受けることにより、外国人被災者の避難誘導や通訳を担うことが可能になります。もちろん、支援を受ける側にとっても、災害時に母国語で話を聞いてくれる消防団員がいることは、どれほど心強いことでしょう。
2021年6月の時点で、草津市の機能別消防団員は9名。中国人4人、韓国人1人、ベトナム人3人、フィリピン人1人という構成です。発足当初から所属している団員は、発災時に母国語で防災情報や避難情報を発信しているそうです。
こうした「防災外国人リーダー」を育てる取り組みは、岡山県総社市や、香川県まんのう町の国際交流協会などでも行われています。
(新津 尚子)
- 総務省『多文化共生事例集(令和3年度版)』
https://www.soumu.go.jp/main_content/000765992.pdf