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世界
2022.04.07

生活困窮者などを対象としたベーシックインカムの試験導入、世界各地で加速する

世界でベーシックインカムへの関心が高まっています。コロナ禍で生活に困窮する人やコロナ禍以前から問題を抱える社会的弱者などを対象にした、ベーシックインカムの実証試験の最新情報をお伝えします。

米国
シカゴ市は、コロナ禍で経済的不安を抱える貧困家庭5000世帯に月500ドルを1年間給付すると決定した。2022年4月から申し込みが始まり、給付対象者は抽選で選ばれる。

アイルランド
アイルランド政府は、コロナ禍で音楽家や俳優などが活動制限によって経済的困難に直面していることを受け、3年間のベーシックインカムの試験導入を計画している。詳細は未発表だが、無作為に選ばれる約2000人に週約325ユーロが給付されると見込まれる。

英国
ウェールズでは、18歳になり児童養護施設を出る若者に、月1600ポンドを2年間給付する試験計画を構想中。自立に向けて困難な移行時期を迎える若者を支援するのが狙い。米国カリフォルニア州などの同様の実証試験では、経済的な面だけでなく、身体的・情緒的に良い効果があると明らかにされている。

コンゴ共和国
アフリカの非政府組織「エイト(Eight)」は、コンゴ共和国での試験計画を拡大すると発表した。マニエマ州カリマ村で2022~2026年にすべての村民を対象に、成人に月16ユーロ、18歳以下の人に月8ユーロが給付される。同州ルタラ村では2021年に給付が始まっている。同国は国民の77%が1日1.9ドル以下で暮らす最貧困国で、実施中には児童労働の削減や幸福度の向上が調査される。

(佐々 とも)

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