「2030年までにファストファッションは時代遅れに」 持続可能な循環型繊維製品のEU戦略
Photo by Rio Lecatompessy on Unsplash.
https://unsplash.com/photos/cfDURuQKABk
欧州委員会(EC)は2022年3月30日、持続可能な製品の普及・定着や環境にやさしい経済への移行容易化などを目指す「欧州グリーンディール(European Green Deal)」包括案の一環として、持続可能な循環型繊維製品のための欧州連盟(EU)戦略(EU Strategy for Sustainable and Circular Textiles)を発表しました。
欧州では、繊維製品の消費が食料、住居、運輸の次に環境や気候変動へ悪影響を与えている大きな要因となっています。また、水と土地利用では3番目、原料使用では5番目に大きな悪影響要因です。
このような現状を受け、欧州の繊維業界をより環境にやさしく、競争力と世界的な衝撃に対する回復力を備えたものにしようと、この戦略が打ち出されました。その中には2030年達成を目指すビジョンとして、「ファストファッションは時代遅れになっている」などが掲げられています。
戦略の具体的な行動の一つがエコデザイン要件の義務付けです。環境負荷物質の最小限化と追跡を可能にし、気候と環境への悪影響を軽減するために、耐久性、再利用性、修繕可能性、繊維から繊維へのリサイクル性、リサイクル繊維含有量といった製品の性能を高めるための義務付け要件が製品毎に策定される予定です。
他には、化学繊維と靴を起因とするマイクロプラスチック汚染への対処、売れ残りや返品の繊維製品の破棄阻止、拡大生産者責任と廃棄繊維再利用・リサイクルの促進、繊維に関する情報要件とデジタル製品パスポートの導入などの行動が含まれています。
(たんげ ようこ)