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2022.09.02

IPCC第6次評価報告書、「脱成長」に初めて言及

IPCC第6次評価報告書、「脱成長」に初めて言及

Climate Change 2022: Impacts, Adaptation and Vulnerability
https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-working-group-ii/

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書に、脱成長(Degrowth)という言葉が初めて登場しました。

IPCCは、世界中の科学者の協力のもとに、各国政府の気候変動に関する政策に、科学的な基礎を与えることを目的とする組織です。第1作業部会から第3作業部会までに分かれ、気候変動に関する最新の科学的知見の評価を1990年から定期的に提供しています。

現在(2021年から2022年にかけて)、各作業部会の第6次評価報告書が発表されています。

「脱成長」という言葉が初登場したのは、2022年2月27日に公表された第2作業部会による評価報告書『影響・適応・脆弱性』です。全18章、3600ページに及ぶ報告書の中で、「脱成長」は、1章(8箇所)と18章(7箇所)の計15箇所に登場します。

例えば、1章では「脱成長を支持する人たちは、パリ協定の目標を達成するのに十分な規模と速度でデカップリングが実現可能であるかについて疑問を呈している」「脱成長によって達成され得るSDGsには、ユニバーサル・ベーシックインカム(SDGs1・10)、完全雇用を保証するためのワークシェアリング(SDGs8・10)、所得から資源・エネルギー採掘への課税負担の移行(SDGs8・12)がある」といった形で言及されています。

さらに、2022年4月4日に公表された第3作業部会の評価報告書『気候変動の緩和』(約2900ページ)でも、「脱成長」という言葉は、6箇所で使用されています。

(新津 尚子)

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