2022.09.28
オーストラリア、家禽のアニマルウェルフェアに関する基準・指針を発表
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最近「アニマルウェルフェア」という言葉を目にすることが多くなりました。「動物たちは生まれてから死ぬまで、その動物本来の行動をとることができ、幸福(well-being)な状態でなければならない」という考えのもと、世界でアニマルウェルフェアの意識が高まっています。
2022年8月、オーストラリア政府は「家禽のアニマルウェルフェアに関する基準・指針」を発表しました。同国にはこれまで自主的な取り組みを促す規定がありましたが、今回さらに改善され、法的に義務付ける「基準」が盛り込まれています。
オーストラリアでは、大半の採卵鶏が「バタリーケージ」(平均面積430平方センチメートル)と呼ばれる狭い檻の中で卵を産まされ、一生を終えます。今回の改善策では、例えば次のような飼育方法が定められました。
基準
- 1ケージに1羽を飼育する場合、面積1000平方センチメートル、高さ55センチメートル以上のケージを使用する。
- この移行は段階的に実施され、2036年にはすべての採卵鶏が新基準のケージで飼育される。
指針(自主的な取り組み)
- 人工照明あるいは自然光を、1日に連続して最低8時間ケージに採り入れる。
EUやスイス、ニュージーランドなどでもバタリーケージが全面的に禁止されており、世界中の国や地域でアニマルウェルフェアの法整備や取り組みが着々と進められています。
(佐々 とも)
- オーストラリアの「家禽のアニマルウェルフェアに関する基準・指針」はこちら(英語)
https://www.agriculture.gov.au/agriculture-land/animal/welfare/standards-guidelines/poultry