2022.10.18
米国サッカー連盟 女子と男子代表チームの同一労働同一賃金を実現
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米国サッカー連盟は2022年5月18日、女子代表チームと男子代表チームの報酬差をなくす労働協約を締結することを選手会と合意しました。国際サッカー連盟(FIFA)のワールドカップの賞金を男女で平等にするのは、米国が初めてです。
米国のサッカーの代表選手の報酬には、男女で大きな差がありました。この差が米国の同一賃金法などに違反するとして、女子代表選手らは2019年3月に米国連邦裁判所に提訴していました。その後2022年2月に、和解金の支払いと新たな労働協約を締結することで、米国サッカー連盟と大筋合意しました。今回の労働協約は、これを受けたものです。
新たな労働協約の主な内容は、以下のとおり。
- ワールドカップを含む公式試合では、男女の代表選手に対して、同等の試合出場料が支払われる
- ワールドカップの出場チームに支払われる賞金は、一部をプールすることにより、男女の代表チームに平等に分配される
(FIFAが支払う賞金額は、男子ワールドカップの方が、女子ワールドカップよりも高額)
- 親善試合では、男女の代表選手は、試合の結果と対戦相手の順位に基づき、平等に出場料と成果給が支払われる
- 放映権収入、パートナー企業からの収入、スポンサー企業からの収入も折半して分配される
協約にはその他に、競技環境やトレーニング環境を同等にする取り決めなども、含まれています。
(新津 尚子)