加速する北米のベーシック・インカムの実証実験 すでに110地域で実施!
Map of Universal Basic Income Experiments.
https://basicincome.stanford.edu/experiments-map/
現在、北米では多くの地域でベーシック・インカムの実証実験が行われています。
スタンフォード大学の「ユニバーサル・ベーシック・インカム実験および関連プログラム」マップによると、2022年11月時点で、ベーシック・インカムの実験数は、すでに終了したものを含めると110地域に及びます。また現在は41地域で実験が行われています。
ユニバーサル・ベーシック・インカムとは、「すべての人に無条件に一定の所得が与えられる」ものです。ただし、このマップで紹介されている実験には、ターゲットを絞っているプロジェクトも含まれています。
具体的にはどのようなプロジェクトが行われているのでしょうか。米国のうち、9つと最もたくさんの取り組みが現在行われているカリフォルニア州の実験の概要を紹介しましょう(表1)。
同州の取り組みをみると、参加人数(ベーシックインカムの受給者)は小規模なものでは25名から、大規模なものでは1000名までと、プロジェクトによって大きく異なります。金額も月に300ドルから1,000ドルまで、支払期間は12ヶ月から36ヶ月までと様々なバリエーションがあることがわかります。ターゲットについては、18歳以下の子どもがいる世帯を対象にしたものが多いほか、LGBTの方や有色人種の方といった社会的弱者を対象にしたものがあります。
スタンフォード大学によると、これから実証実験をスタートするプログラムも複数あるとのこと。この流れは今後も続きそうです。
(新津 尚子)
- 「ユニバーサル・ベーシック・インカム実験および関連プログラム」マップはこちら(英語)
https://basicincome.stanford.edu/experiments-map/ - Stanford Basic Income Lab [cartographer]. (2020). Global Map of Basic Income Experiments [map]. Retrieved from
https://basicincome.stanford.edu/research/basic-income-experiments/