英国:暖かいところへどうぞ! 「燃料の貧困」対策のコミュニティ活動
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燃料価格高騰が世界的な影響を及ぼす中、英国ではこの冬、1,600万以上の人々が、収入から暖房費を差し引くと貧困ラインを下回るなど、いわゆる「燃料の貧困」に陥ると言われています。
そこで、「寒くても暖房が使えず困っている人々に、暖かく安全な場所を、無料で心地よく使ってもらおう」というコミュニティ活動が全英で展開されています。このような場所は、「Warm Welcome Space」「Warm Welcome Place」(いずれも「暖かく迎える場所」)などと呼ばれています。
これらの場所の情報を登録・集約してマップ上で検索できるサイト「Warm Welcome」によると、公立図書館、教会、コミュニティセンター、公共施設など、2023年1月中旬時点で約4,000カ所が参加。場所によっては、無料WiFiや充電設備、コワーキングスペースを提供したり、交流イベントを実施するなど、暖を求めてきた人たちが心地よく時間を過ごすためのサービスも提供されています。
2022年10月には、CILIP(図書館情報専門家協会)から、場所を適切に整備・運営するためのガイドラインが発行されました。同ガイドラインでは、「必要な人が気兼ねなく使えるよう、暖かく迎えることが不可欠」と冒頭で強調した上で、整備や運営のために有用な情報や好事例を提供しています。
また、エジンバラ市のように、市内で該当する場所をマップなどで情報提供したり、バーミンガム市のように、生活費支援対策の一環として暖かい場所を無料開放する団体に助成金を提供する自治体もあります。
(たんげ ようこ)
- マップ情報サイト「Warm Welcome」についてはこちら(英語)
https://www.warmwelcome.uk/ - ガイドライン「A WARM WELCOM: SETTING UP A WARM SPACE IN YOUR COMMUNITY」についてはこちら(英語)
https://www.cilip.org.uk/resource/resmgr/cilip/information_professional_and_news/press_releases/2022_10/a_warm_welcome_2022.pdf