2030年までに全製品の平均カーボンフットプリント（原材料調達から廃棄までの温室効果ガス排出量）を1.0KgCO2e以下にすることを宣言している靴ブランド「オールバーズ」は、世界初となる「カーボンフットプリント・ゼロ」の靴、M0.0NSHOTを発表しました。

同社では、2018年にカーボン・ネガティブ（排出量よりも隔離される炭素の方が多いこと）のミッドソール（靴底の一部）を開発、2019年にはアディダスと共同で2.94kgCO2eの靴を開発しています。そして、今回のカーボンフットプリント・ゼロの靴の発表に至りました（販売は2024年春を予定）。

どのような素材で作られているのか、見てみましょう。

• メリノウール：
  ニュージーランドの再生型農業を営むファーム産のメリノウールを使用。このファームでは、植林や再生可能エネルギーの使用などによって、排出量以上の炭素を隔離しています。農場での炭素隔離を考慮していることは、この商品の特徴です
• ミッドソール：
  合成樹脂が使われていることが多い中、サトウキビ由来80％のカーボン・ネガティブな新開発の素材を使用します
• バイオプラスティックの靴紐の穴：
  メタンを微生物により成形可能なポリマーへと変換するカーボン・ネガティブな技術を使用します
• パッケージ：
  サトウキビ由来のカーボン・ネガティブなポリエチレンを使用するとともに、輸送に必要となるスペースと重量を削減します
• 輸送：
  バイオ燃料を用いて海上輸送し、港から倉庫までの輸送には電気自動車を使用します

材料はもちろん、パッケージや輸送まで、さまざまな工夫が行われていることがわかります。

（新津 尚子）