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2023.10.17

「平等な幼児教育への投資は、政府に大きなリターンをもたらす」英国のシンクタンクの分析

「平等な幼児教育への投資は、政府に大きなリターンをもたらす」英国のシンクタンクの分析

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英国の独立系シンクタンクのニュー・エコノミクス財団(NEF)は2023年7月18日、1歳からの平等で質の高い幼児教育への投資が、政府にとって最もリターンの高い投資の1つになる可能性があるとの研究結果を発表しました。

この研究は、政府が普遍的かつ質の高い幼児教育への投資に対して行う借り入れが、短期的には母親の就業率、長期的には子どもの潜在的な収入などに与える財政的な影響を分析したものです。その結果、全額を借り入れで賄った場合でも、財務省は支出1ポンドにつき1.31ポンドのリターンを得られることが明らかになりました。

なお、この分析の対象は、税金と社会保障費を通じて国庫に直接還元される分に限定されています。米国で行われた幼児教育への投資についての研究では、個人が得る直接的な経済的利益から派生する社会的成果や、医療費の削減分などを含めると、リターンは1対7とかなり高くなることが推計されています。

また、今回のNEFの分析では、1ポンドの投資に対するリターンは、高所得家庭では67ペンス、中所得家庭では1.19ポンドにすぎないのに対して、低所得家庭は2.07ポンドと最も高いリターンが得られることもわかりました。

NEFの経済学部門トップのジーブン・サンダー氏は、「普遍的で質の高い幼児教育は、財務省にも、もっと広い社会にも非常に大きな利益をもたらす、政府にとって絶好の投資の機会なのです」と述べています。

(新津 尚子)

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