「修理する権利」とは? 米国ニューヨーク州のデジタル・フェア・リペア法
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少し前の話題になりますが、重要な動きなので紹介します。2022年12月29日、米国ニューヨーク州のキャシー・ホウクル知事は、デジタル・フェア・リペア法案に署名し、同州は「修理の権利」を保証する米国初の州になりました。
「テクノロジーやスマートデバイスは日常生活に不可欠なものになりました。ですから、消費者が頼りにしているデバイスを、容易かつ迅速に修理できるようにするべきです」とホウクル知事は述べました。「この法律によって、消費者がデバイスを修理するにあたり、よりよい選択ができるようになります。そうすることで、デバイスの寿命を最長化し、お金を節約し、そして電子廃棄物を減少させることができます。」
この法律によって、電子機器メーカーが修理に関する情報を開示することで、傘下に入っていない小規模な修理店が競争に参入できるようになります。大手テクノロジー企業による修理市場の独占の拡大を終わらせ、競争を促進します。同時に、ニューヨーク州では有害な電子廃棄物が毎年655,000トン削減されると予測されています。なお、同州では有害な電子廃棄物の85%が埋立地に運ばれています。
この法案を提出したパトリシア・フェイ議員は「全国レベルで修理する権利法制定への取り組みが活性化し、最終的にはすべての米国人が包括的で真の「修理する権利」を享受できるようになることを期待しています」と述べています。
(新津 尚子)