持続可能な農業の実現を目指す非営利団体のSAIプラットフォームは、2023年９月27日、再生型農業に向けた'Regenerating Together'の世界的フレームワークの開始を発表しました。

近年、気候変動により、農業は生産性が最大30％も減少するなど危機的状況にあります。再生型農業によって、農業サプライチェーンのレジリエンスを大きく向上できることが証明されつつありますが、その取り組みは限られています。その理由として、統一された定義がないことなどがあげられます。

'Regenerating Together'は、食品業界と飲料業界を統一し、将来の食料安全保障を確実にするために、再生型農業への移行と農業的実践の改革を目指しています。

このフレームワークによって、30以上の農業協同組合や、すでに再生型農業に取り組んでいるネスレ、ダノン、ユニリーバを含む170社ものSAIプラットフォームのメンバーに加え、農業者や学界、NGOとの協働で、農業に対する足並みを揃えたアプローチが確立しました。

フレームワークは農場レベルで実際に使用できるデザインであり、水、土壌、多様性、気候の４つの領域の影響について、リスクの評価、達成したい成果の選択、原則と実践の選択、進捗のチェックと評価という４つのステップからなります。自然の生態系を再生させ、農業者の生活の質を改善させるレジリエントで生産的な食料システムという共通ゴールに向けて、農業業界を結びつけることを目指します。

（有光圭子）