世界に広がる「本以外のものを貸し出す図書館」:シェアラブル『物のライブラリーの現状2024』報告書を発表
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シェアリングエコノミーを推進する非営利メディア「シェアラブル」は、2024年2月『物のライブラリーの現状2024』報告書を発表しました。
物のライブラリー(LoT: Library of Things)とは、物をコミュニティで共有するためのインフラです。楽器、ガーデニング用品、キャンプ用品など様々なものを図書館のように貸し出すことで、より環境に優しく物質的なニーズを満たします。公式に設立されたLoTだけでも、世界中に約2,000館あります。
本報告書は11カ国82のLoTの運営責任者やボランティアなどから得たアンケート調査結果を元にしています。
報告書の主なポイントは以下のとおりです。
- LoTは、コミュニティによって見た目や雰囲気が異なる
- 多くのLoTは、数少ないボランティアと、倉庫のような小さなスペースで、地域社会に変化をもたらしている
- 一般的に、LoTには3つのタイプがある
(1)完全にボランティアにより運営される、予算額年間1万ドル未満、平均会員数200人未満の小規模なLoT(これが大多数を占める)
(2)店舗を構え、多額の年間予算があり、1名以上の有給のライブラリー管理者を擁する大規模な独立系LoT
(3)公立図書館と連携している公立のLoT
- 財政的には、会費、助成金、寄付に最も大きく依存している
- ほとんどのLoTは、運営開始後5年未満で、週1~3日の開館である
- 大半のLoTは貸出以外のサービスも提供している
シェアラブルは、本報告書が多くの関係者の役に立つことを願っていると述べています。
※この記事はShareableに掲載された記事(New report: The State of Libraries of Things 2024)の要約です。
(新津 尚子)
- この報告書について詳しくはこちら(英語)
https://www.shareable.net/new-report-the-state-of-libraries-of-things-2024/