世界幸福度報告書:若者の幸福度が北米と西欧で下がっている
World Happiness Report 2024
https://worldhappiness.report/
3月20日の「世界幸福デー」に合わせて、『世界幸福度報告書』が国連により発表されました。最も幸福度が高かったのがフィンランド、最下位がアフガニスタンでした。日本の順位は去年の47位から51位に下がりました。
今年は143カ国で調査が行われ、過去3年間(2021~2023年)の生活満足度(最低0~最高10)の平均値でランキングされています。
今回は世界人口の高齢化を受け、幸福度と年齢の関係に焦点が当てられました。報告書によると、ランキングが上位の国々では若者も高齢者も幸福度が高く、順位の差はほとんどありません。ところが北米や西欧では高齢者の順位と比べて若者の順位が低い一方、東欧や中欧では若者の方が高くなっています。
例えば米国(総合23位)を見ると、高齢者(60歳以上)のランキングは10位、若者(30歳未満)は62位で、その差は歴然です。北米や西欧では若者の幸福度が下がっており、孤独や頼れる人が少ないと感じる若者がより多いことが理由の1つと考えられます。一方、クロアチア(総合63位)では、高齢者は80位、若者は14位と、若者の幸福度がはるかに高くなりました。クロアチアの高齢者は90年代初期の紛争の傷跡を負っていることが背景にあるとされています。
日本でも北米と同様に、若者(73位)の方が高齢者(36位)より順位がかなり低くなっています。みんなが幸せで心が満たされる社会になるにはどうすればいいのか――世界に突き付けられた課題です。
(佐々 とも)
- 2024年版『世界幸福度報告書』について詳しくはこちら(英語)
https://worldhappiness.report/