2024年３月25日、世界の大問題を進展させるための研究とデータを公表するOur World in Dataは、「あなたが思っているよりも多くの人が、気候変動を懸念している」と題する記事を発表しました。この記事は複数の研究をレビューして書かれたものです。

例えばブラシアヌらが2024年に発表した論文では、世界の人々は「気候変動は深刻な脅威であり、人間がその原因である」と考えていることを明らかにしています。最も低い国でも73％がこの考えに同意していました。この結果は、63カ国59,000人を対象とした調査に基づいています。

また、人々は「他人の気候変動対策への関心は低い」と感じています。「気候変動対策に収入の1％を寄付する意思があるか」を尋ねたアンドレらの125カ国を対象とした2024年の研究では、69％が「寄付する意思がある」と答えました。しかし「１％を寄付する意思がある人が、自分の国にどの程度いると思うか」を尋ねたところ、各国の平均は43％でした。この結果から、多くの人が気候変動への関心を持っているにも関わらず、他人は同様の関心を持っているとは思っていないことが分かります。

記事では、「この『認識のギャップ』は重要です。政府は、国民の強い後押しがあると思えば、政策を変更するでしょう。企業は、消費者が低炭素製品やビジネス慣行の変化を望んでいることを知る必要があります。他の人々も同じことをすると思えば、変化を起こす可能性が高くなります」と論じています。

（新津　尚子）