パリ五輪、循環型経済戦略の最初の成果を発表
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2024年3月18日、循環型経済戦略を掲げるパリ五輪組織委員会は、その最初の成果を発表しました。同戦略は、「大会をより少ない資源で企画する」「エコデザインを促進して資源を有効活用する」「大会後の資源のセカンドライフを確実にする」の3つの主要理念を基にしています。
また、本大会では五輪史上初めて、大会で使われる全資源の総重量などを表す「マテリアルフットプリント」を計算し、必要とされた資源の詳細なマップを会場ごとに作成しています。
「より少ない資源で企画する」の理念では、新たな建設を減らし使用する資源をより少なくするために、入札時に、会場施設の95%を既存のインフラや一時的な施設で活用することが提案されました。この理念は、40ほどの競技・非競技会場の内装デザインにも反映されています。備品などの必要性をできる限りふるいにかけ共用することで、備品の品目数を80万点から60万点にまで減らすことができました。
ケイタリング部門では、使い捨てプラスチックの、2012年ロンドン五輪比50%削減を約束しています。これは返却可能な容器や、リサイクル・リユース容器の使用で達成される見込みです。
サプライヤーの選定にあたっても、2019年に策定された「責任ある購買戦略」を適用し、循環型経済を柱の1つとしています。入札公募では製品やサービスにエコデザイン的アプローチを採用し、リサイクル素材や製造途中に出る端材など環境負荷の少ない原材料を使用しているといったサプライヤーを優先しています。
(有光圭子)