英国裁判所、英国政府の気候変動緩和政策は違法と判断
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英国の高等法院は2024年5月3日、英国政府の気候変動緩和政策は温室効果ガスの削減目標を達成するには不十分であり、違法であるという判断を示しました。
この裁判は、英国政府が提示した「第6次カーボンバジェット実行計画(CBDP)」は実行性に欠けるとして、環境保護団体「地球の友」と「ClientEarth」が英国非営利団体「良き法律プロジェクト(Good Law Project)」と協働で訴訟を起こしたものです。
同高等法院はその主張を認め、CBDPはカーボンバジェット(5年毎の温室効果ガス排出量の上限)を義務付ける気候変動法(Climate Change Act)に違反していると判断しました。CBDPはカーボンバジェットを達成するための計画を提示したもので、2050年ネットゼロに向けた多様な取り組みの一環とされています。同計画は2年前にも違法判決を受けて修正されましたが、今後12カ月以内に再び修正案の作成を余儀なくされました。
英国気候変動委員会の昨年の評価によると、同計画によって信頼できる削減量は第6次カーボンバジェットの目標達成に必要な削減量の20%以下にしかなりません。
「政府は計画にある大きなギャップを埋めるために、実効性が証明されていないテクノロジーや当てにならない政策に望みを託しているだけではすまされない......いま実際に行動を起こさなくてはならないのだ」とClientEarthのシニア弁護士サム・ハンター・ジョーンズは述べています。
(佐々 とも)