未来の人々が幸せになるための法律とはどんなもの?
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地球温暖化、貧困、不健康などの問題が、現代に生きる人だけでなく未来に生きる人にも悪影響をもたらすことが懸念されています。そうした懸念を払拭する法律が英国のウェールズで施行されています。
2015年に制定されたウェールズの「未来世代ウェルビーイング法:The Well-being of Future Generations (Wales) Act 2015」の狙いは、社会・経済・環境・文化において、人々が幸福に生きるために持続可能な発展を促進すること。政府、地方自治体、医療関連施設などの地元公的機関に対して7つの幸福ゴール(繁栄、レジリエンス、健康、平等、コミュニティの結束、文化の活性化とウェールズ語の繁栄、国際的な責任)を設定しています。
ウェールズは英国政府とは別に独自の政府と議会を持ち、法律を制定する権限を握っています。この法律では、各公的機関は幸福ゴールに向けて取り組むうえで「持続可能な発展原則」に従わなくてはなりません。それは「未来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在世代のニーズを満たす」やり方をとらなければならないということです。具体的には「ほかの人々・機関との協力」「統合的な視野」「多様な分野の利害関係者の関与」「長期的な視野」「予防的な行動」を考慮する必要があります。
未来に生きる人々に影響を及ぼすことを考えて意思決定を行う――「未来世代ウェルビーイング法」は、未来の人々の幸福に対して私たちに責任と義務があることを再認識させてくれます。
(佐々 とも)
- 「未来世代ウェルビーイング法」について詳しくはこちら(英語)
https://www.gov.wales/well-being-future-generations-act-essentials-html