カーボンオフセットで「飛び恥」から解放? アルゼンバイジャン航空が乗客向けのプロジェクトを導入
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アルゼンバイジャン航空は2024年10月、乗客が気軽に気候アクションに参加できるプロジェクトを開始すると発表しました。
これは、オフセットを希望する乗客が、航空チケットの購入時や便の予約後に、同社のウェブサイトを通じ、自身のカーボンフットプリントを算出、それに応じたクレジットを購入し、認証機関Gold StandardやVerified Carbon Standard(VCS)による認証済のカーボンオフセット・プロジェクトに参加するという取り組みです。
カーボンオフセットとは、企業や個人などが行うことができる温暖化対策の1つで、企業活動や日常生活でどうしても排出されてしまうCO2などの温室効果ガスを、ほかの場所で実施される削減・吸収活動へ投資することなどによって埋め合わせ(オフセット)をするというもの。
カーボンオフセットの対象となる削減・吸収活動には、再生可能エネルギーの利用や省エネ設備の導入、植林や森林保全などがあり、そうした活動によって生じた排出削減・吸収量を「クレジット」として認証機関が認証します(日本では国が認証する制度「J-クレジット」があります)。
企業や個人はクレジットを購入することで、自ら排出した量をオフセットし、温室効果ガスの削減に貢献できるという仕組みです。
J-クレジット制度について
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html
アルゼンバイジャン航空のプロジェクトには、パキスタンのシンド州南東沿岸に位置するマングローブ林が広がる湿地の保全や、トルコのトカット県での埋立地ガスの採取・利用による発電、インドネシアのカリマンタン州中央部カティンガンの泥炭地の保護があります。
当記事を書いている時点では、この取り組みにより、航空距離約510万キロメートル、CO2排出量約55万キログラムがオフセットされ、参加した乗客数は2500人余りに上ります。
ほかにも同様の取り組みが全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)、ブリティッシュ・エアウェイズなどでも実施されています。飛行機での移動は大量のCO2を排出するため、飛行機に乗るのは恥ずべきことと意味する「飛び恥」という言葉を耳にすることが増えました。空の旅をすることになっても、このようなカーボンオフセット・プロジェクトに参加することで、飛行機を利用する罪悪感から少しは解放されるかもしれません。
(佐々 とも)
- この記事の原文はこちら(英語)
https://www.azal.az/en/airline/news/details/?id=11102024 - この記事のカーボンオフセット・プロジェクトについて詳しくはこちら(英語)
https://azerbaijanairlines.carbon.click/