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2025.03.01

米国:農家にも作物にも家畜にもうれしい営農型太陽光発電

収入減など農業が抱える様々な課題と再生エネルギーへの移行をまとめて解決する方策として、営農型太陽光発電が注目されています。営農型太陽光発電とは、太陽光発電システムを農業用地に設置し、太陽光パネルの下や間で作物を栽培したり、家畜を放牧することです。

営農型太陽光発電には様々な利点があります。一旦設置すれば、太陽光パネルの維持管理費はほとんど必要なく、太陽光発電は農家にとって安定した収入源になります。

作物によっては、太陽光パネルによる日陰が有利に働きます。たとえば、アリゾナ大学の研究によると、バジルやケールは低照度環境になると、日光をより多く取り込もうと葉が大きくなる傾向があります。

家畜を牧草地に設置した太陽光パネルの間を放牧させれば、家畜の飼料をまかなえる上、家畜が植生の維持管理に一役買い、放牧地の維持費を最小限にできます。また日差しが強い暑い日には、太陽光パネルは家畜が逃げ込める日陰を与えてくれます。

除草剤の必要性が減ることに加え、水が浸透しない地面に転換される土地の面積が減ることで土壌の雨水吸収力も高まるなど、環境的利点もあります。

営農型太陽光発電に関するデータベース等を提供している「インスパイア研究プロジェクト」によると、2024年12月時点で、米国内で稼働している営農型太陽光発電所は約600カ所。中には、15種類の作物を栽培しながら300世帯に電力を供給している農場もあります。

(たんげ ようこ)

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