
世界幸福度報告書2025 分かち合いの大切さに注目

世界幸福度報告書
https://worldhappiness.report/
今年も『世界幸福度報告書』が、3月20日の「国際幸福デー」にあわせて発表されました。この報告書は、オックスフォード大学ウェルビーイング・リサーチ・センターが、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワークなどと連携して作成しています。
過去3年間の生活満足度(0〜10点)の平均に基づくランキングでは、調査対象147カ国中、最も幸福度が高かったのはフィンランドでした。日本は前年の51位から順位を下げ、55位となりました。
上位5カ国とG7各国の順位は以下のとおりです。
1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 アイスランド
4位 スウェーデン
5位 オランダ
18位 カナダ
22位 ドイツ
23位 英国
24位 米国
33位 フランス
40位 イタリア
55位 日本
この結果から、北欧諸国が上位を占め、日本はG7の中で最下位であることがわかります。
本報告書では、「思いやり」や「分かち合い」が幸福に与える影響にも注目しています。例えば、他者と食事をする人ほど幸福度が高く、一人暮らしの人の幸福度も低いことが明らかになりました。
また若年層の社会的孤立も問題です。2023年に若年成人の19%が「頼れる人がいない」と回答しており、2006年と比べて39%増加しています。さらに、多くの若者が同世代の共感力を過小評価し、人との関わりを避けることで、有意義な人間関係を築く機会を逃しているとされています。
順位だけでなく、幸福に影響する要因を分析することで、より良い社会づくりのヒントが見えてきます。
(新津 尚子)
- この記事の原文はこちら(英語)
https://worldhappiness.report/