ポルトガル、世界で初めて参加型予算制度を導入
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(Apoliticalより)
ポルトガルは2016年10月末、国としては世界で初めてとなる参加型予算制度を導入すると発表しました。これは、公金の使途について、一般市民からアイデアを募り、その中から投票で決める制度で、自治体ではこれまでにパリ市をはじめ、世界各地で取り入れられています。
ポルトガル政府が今回、導入初年度に割り当てた予算は300万ユーロで、パリ市が2016年に費やした1億ユーロと比べると少ない額ですが、国ならでは特徴があります。例えば、予算が割り当てられるのは特定の地域となるものの、国家予算を利用するため、その地域以外でも広く投票が行われることで、地域どうしの関係が強まると考えられています。
参加型予算の提案は2016年1月から受付が開始されました。すでにいくつかの提案が届いており、中には「幼児がロボット工学を学べるよう幼稚園にテクノロジーを整備する」といったものもあります。科学や文化、農業、生涯学習の分野が設けられ、来年には市民がアイデアを発表し、議論するイベントの開催が40件以上予定されています。
政府担当者グラサ・フォンセカ(Graça Fonseca)氏は、「今、民主主義国家と国民との信頼関係が大きく失われている。参加型予算制度の導入が、国民と政府との関係を立て直すきっかけとなってほしい、と委員会側は望んでいる」と述べています。
※この記事の原文は、社会奉仕のイノベーターのための国際的プラットフォーム「Apolitical」に掲載されたものです。