マサチューセッツ州、食品廃棄禁止法の経済効果は年間1億7,500万ドル
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(マサチューセッツ州環境保護局より)
2014年10月に米国のマサチューセッツ州環境保護局は、全米に先駆けて事業系食品廃棄禁止法を施行しました。これは、食品関連企業や商業施設に対し週に1トン以上の食品廃棄を禁止したものです。2年後の2016年10月、同局は州内の食品廃棄産業の傾向とこの新たな禁止法の効果について報告書をまとめました。
報告書によると、食品廃棄物運搬、堆肥化・加工、食品救済・寄付の3分野に従事する組織に対して行った調査から、食品を廃棄することから堆肥化や食品救済などに転換する活動はこの規制の施行以来、勢いを増していることが分かりました。
3分野合わせて回収したとされる食品は、2010年の5万6,000万トンから2016年には48万トンに増えています。また雇用は、全体で2010年の190人から2016年には500人に増えており、さらに間接及び誘起効果を合わせると900人の雇用があったとされています。業界全体で2016年にもたらした経済効果は1億200万ドル、間接及び誘起効果を合わせると1億7500万ドルの経済効果を生み出したと推定されます。
今後の課題として堆肥化・加工業者からは、食品の中にプラスティックなどの堆肥にできない汚染物が残っていること、また処理場は体裁が悪く、悪臭がするため大規模なものは郊外に立てざるを得ないためアクセスが悪いことなどが挙げられています。食品救済組織からは、冷蔵トラックにお金がかかることや、大規模な顧客は食品の救済・寄付よりも、容易な堆肥化を選ぶことが挙げられています。