ビジネスと人権に関する初のベンチマークをリリース
Corporate Human Rights Benchmark
https://www.corporatebenchmark.org/
(Business & Human Rights Business Centerより)
ビジネスと人権に関する取り組みを推進するCHRB(Corporate Human Rights Benchmark)は、2017年3月13日にパイロット版のベンチマークをリリースしました。
このベンチマークは、ビジネスと人権においてリスクが高い3業種(農作物、アパレル、採掘)のグローバル企業98社を対象にスコアとランキングを公表しています。評価方法は、2011年に策定されたUN Guiding Principles on Business and Human Rights(ビジネスと人権に関する指導原則)に基づき、各企業の人権に関する方針、その方針を実行に移すシステムやプロセス、実際の取り組み、人権侵害が起きた場合の改善措置、申し立てへの対応、透明性の6テーマついて、データを収集しスコアを算出しています。
その結果、全体の平均スコアは28.7%で、今回の最高スコアである60%~69%を取得したのは3業種を通じて3社にとどまりました。全体的に、方針に関しては比較的良い結果が得られたものの、実際の取り組みや改善措置などでスコアが下がる傾向が見られ、今後はどの企業もこうした部分に重点を置くべきだと報告書は指摘しています。また、どのテーマにも共通する「コミュニティや従業員といったステークホルダーとのかかわり」といった点ではスコアが極めて低かったことが指摘されています。
今回は全体的にスコアが低く、多くの企業が国連の指導原則を実施する初期段階にあることが分かりました。来年以降は人権課題への取り組みが徐々に向上し、70%以上の高スコアを取得する企業も増えることを期待したいと報告書はまとめています。
- この記事の原文を読む(英語)
https://business-humanrights.org/en/chrb/ - この記事の原文を読む(英語)
https://www.corporatebenchmark.org/