2017.10.22
「脱成長」を自治州議会で要求----スペイン・カタルーニャの動向
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2017年10月1日に、スペインからの独立の是非を問う住民投票が行われたカタルーニャ自治州からのニュースです。
住民投票に先立つ9月6日と7日、カタルーニャ自治州議会で、独立を支持する政党、民衆統一候補(CUP)が、「カタルーニャは経済成長を追求せずに、脱成長を目指すべき」という内容の要求を行いました。内容の一部をご紹介します。
無限の成長を追求することにより、破滅的な問題が世界中で生じています。壊滅的な気候変動のシナリオ、希少な資源をめぐる地政学的な緊張などが示しているのは、これまでの進歩の流れが、崩壊しつつあるということです。進歩・成長・発展の概念は再考されねばなりません。
脱成長は、使用すべき基本的ツールのひとつです。現在、カタルーニャ共和国の創造に向かっています。新たな共和国では、新自由主義の自殺的な成長モデルを手本にするべきではありません。
そのための新たな政府の基本方針は、以下の通りです(抜粋)。
- 製品に使用される自然資産(原料とエネルギー)だけではなく、輸送、流通、販売、廃棄物管理などの生産に関わる浪費も含め、消費主義・廃棄物・略奪を断固として減らすこと。
- 個人とコミュニティのレジリエンスを向上させるために、エネルギーと食の主権を確保することを目的として、全ての人々に知識と技術を普及させること。
- 直接民主主義のメカニズムを通して、経済・社会・文化・環境モデルの再定義に関わる全ての過程への市民の真の参加を保証すること。
(新津 尚子)