「現代の奴隷」は世界で4,000万人、児童労働は1億5,200万人
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(国際労働機関(ILO)より)
ILOとオーストラリアの人権団体ウォーク・フリー財団が、国際移住機関(IOM)と協力して行った調査によると、2016年には、世界中で4,000万人以上の人々が現代の奴隷制度(強制労働や強制結婚など) の被害者となっていることが明らかになりました。この調査に伴ってILOが発表した児童労働の推計では、5歳から17歳までの子供のうち、1億5,200万人(少年8,800万人、少女6,400万人)が児童労働に従事していることが示されています。
現代の奴隷制度の被害者は、女性と少女に偏っており、全体の71%(約2,900万人)を占めています。また、全体の62%(約2,500万人)が強制労働に従事し、38%(約1,500万人)が強制結婚の被害者です。
児童労働は、依然として農業に集中しており、全体の70.9%を占めています。およそ17.1%はサービス部門、11.9%が工業に従事しています。地域別では、アフリカ(7,210万人)が最も多く、次いでアジア太平洋(6,200万人)、米州(1,070万人)、欧州・中央アジア(550万人)、アラブ諸国(120万人)の順となっています。
ガイ・ライダーILO事務局長は、「こうした惨事と戦う努力を劇的に増やさない限り、持続可能な開発目標(SDGs)* の達成には至らないでしょう。この推計が強制労働と児童労働を防止するための介入策を形作り進展させる手助けとなることを期待します」と述べました。
*注釈:持続可能な開発目標(SDGs)
持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)とは、2015年9月に国連加盟国193ケ国が全会一致で採択した2016年から2030年までの行動計画です。SDGsは「誰も取り残さない」をスローガンに、「貧困をなくそう」「平等な教育」「働きがいも経済成長も」などの17の目標と、各目標をさらに細かくした169のターゲットから成り立っています。