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Case.20

パリ市の参加型予算:「住民による住民のための」市の予算の使い方

パリ市では「参加型予算」という制度を2014年から2020年にかけて実施中です。パリ市の参加型予算は、住民から「こんなことに市の予算を使って欲しい!」というアイデアを募り、その中から、実際に予算を使うプロジェクトを住民投票で選ぶ制度です。

住民参加型予算には様々な方法がありますが、フランスのパリ市の他にも、米国のニューヨーク市やボストン市、ブラジルのポルト・アレグレ市など、世界中で1,500以上の都市や組織が参加型予算を実施してきました(*1)。

パリ市の年間予算は80億ユーロ(約1兆円*2)ですが、このうちの18%が建物や道路・公園といった公共の場の建設と改修に使われています。参加型予算には、この建設や改修に使われる予算のうちの5%が割り当てられていて、住民は区のため、あるいは市のためのプロジェクトを提案することができます。2014年から2020年までの間の予算は5億ユーロ(約660億円)で、2015年はパリ市のためのプロジェクトに3,700万ユーロ(約49億円)、区のためのプロジェクトに3,800万ユーロ(約50億円)が割り当てられています。

それではどのようなプロジェクトが参加型予算によって実施されているのでしょうか。2014年の事例の1つとして投票で約13,000票を集めた「道路を子どもに返そう」というプロジェクトをご紹介します。これは、昔は子どもの遊び場だった道路を「午後の3時間」と時間を区切って歩行者天国のような形で遊び場として子どもたちに開放するプロジェクトです。その道路には石蹴りや迷路遊びなどのための枠がペイントされる予定です。可能であれば1つの区に1つずつ、つまりパリ市のすべての区(パリには20の区があります)に作られることになっています。このプロジェクトには、約150万ユーロ(約2億円)かかります。

2014年の投票で実施が決まったその他のプロジェクトには、幼稚園と小学校に畑をつくるプロジェクト、窓のない建物の外壁などを緑化するプロジェクト、学生とビジネスマンが一緒に働く共有スペースをつくるプロジェクトなどがあります。

参加型予算のプロジェクトは、次のようなスケジュールで決められます。

  • 1月から3月中旬にかけて:この期間に住民はプロジェクトをインターネットで登録します。パリの住民であれば、年齢と国籍を問わず全ての人が、自分のアイデアを登録することができます。
  • 5月末まで:市の担当部局によってプロジェクトの妥当性が検討されます。
  • 6月:住民投票にかけるプロジェクトが発表されます。
  • 9月:住民投票によって実施されるプロジェクトが決められます。投票期間は11日間で、投票はインターネットおよび紙の投票用紙で行なわれます。

2015年のプロジェクトの登録は、3月15日に締め切られましたが、18,954人のパリの住民が5,115のアイデアを登録したとのことです。

*1 http://www.participatorybudgeting.org
*2 レートは2015年5月現在のもの(その他も同様)

 

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