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Case.21

地産地消で低所得世帯も地域経済も健康に――ミシガン州の「ダブル・アップ・フード・バックス」プログラム

米国では、貧しい家庭が健康的な食生活を送れるよう支援する取り組みが進められてきました。その成功例の一つが、ミシガン州の「ダブル・アップ・フード・バックス(Double Up Food Bucks)」プログラムです。 これは、持続可能な食料システムの構築を目指す非営利団体「フェアフード・ネットワーク(Fair Food Network)」が展開している取り組みで、公的扶助を受けている低所得者が、期間中にミシガン州の農産物をこのプログラムに参加するファーマーズマーケットなどで買うと、購入金額の2倍分の買い物ができるという画期的なものです。

「ダブル・アップ・フード・バックス」プログラムは、2009年にミシガン州デトロイト市で始められました。当時、参加していたのは5店舗のファーマーズマーケットだけでしたが、現在、ミシガン州全土で150店舗以上に増加しています。2013年には、全米初の試みの一つとして、食料品店もプログラムに参加できるようになりました。この5年間で、30万人を超える低所得世帯と1,000人を超える農家がこのプログラムの恩恵を受けています。

プログラムの仕組みは、まず参加しているファーマーズマーケットに行き、SNAPブリッジカード〔米国政府が低所得世帯に食料費を支援する補助的栄養支援プログラム(SNAP:Supplemental Nutrition Assistance Program)により支給されるもので、ミシガン州では「ブリッジカード」と呼ばれています〕で、マーケット内で使用できる「トークン」を手に入れます。次に、トークンを使ってマーケットでミシガン州の農産物を買います。10ドル分のトークンを使うと、新たに10ドル相当のトークンを獲得でき、それを使って野菜や果物を手に入れることができます。1日20ドルまでと決められ、獲得したトークンは、その場ですぐに使うことも、別の日でも使うこともできます。「ダブル・アップ・フード・バックス」プログラムの実施期間は6月から10月までとなっています。

ほかにも、このプログラムの画期的な点は三つのメリットがあることです。一つ目は、貧しい人たちが地域でとれた新鮮な野菜や果物を食べることができること。二つ目は、地域の農家が新しい顧客を獲得でき、収入が増えること。三つ目は、地域でお金が使われて地域の経済が潤うということです。

フェアフード・ネットワークによると、以下のような成果が出ていることがわかりました。

  • SNAPを利用する顧客の93%が、野菜や果物を前より食べるようになり、83%が低栄養価の食品(スナックなど)を前より買わなくなった。

  • プログラムに参加する農家の90%が、前よりも農産物を多く売ることができ、85%で収入が増えた。

  • SNAPの支援を受けている人たちが、自分たちのコミュニティの中で、経済活動・機会を刺激している――ファーマーズマーケットで1ドル費やされると、地域経済に2.8ドルの経済効果が生まれている。

 

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