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2011.06.10
プレスリリース

震災・原発事故から3ヶ月たっての「日本の今後のエネルギーに関する国民の意識調査」結果を発表

平成23年6月10日

有限会社イーズ

3.11から3ヶ月「原発への依存を減らし、自然エネルギー促進を求める」国民意識はさらに高まっている

-震災・原発事故から3ヶ月たっての「日本の今後のエネルギーに関する国民の意識調査」結果を発表-

有限会社イーズ(本社:東京都世田谷区、代表取締役:枝廣淳子)の主宰する「幸せ経済社会研究所」(所長:枝廣淳子 http://www.ishes.org/)は、本日「日本の今後のエネルギーに関する国民の意識調査」結果を発表しました。この調査は、3月11日の東日本大地震およびその後の東京電力福島第一原子力発電所事故が、国民の日本の今後のエネルギーに関する意識をどのように変えたかを知るためにおこなったものです。3.11から約1ヶ月後に同様の調査をおこなっており、今回は3.11から3ヶ月たっての国民の意識を知る調査となります。(前回調査の結果については、http://ishes.org/news/2011/inws_id000012.html をご覧下さい)
アンケートは、インターネットアンケート調査会社に委託し、6月8日~9日にかけて、前回と同じく20歳~70歳の1,045人(有効回答数。年代、性別および大都市/中小都市・地方の割合は日本人口比に合わせる。被災県からの回答もあるが人口比に比べて少ない)を対象におこないました。

「今回の震災・東京電力原発事故を受けて、『日本のエネルギー』についてのあなたの考えや意見は変わりましたか?」という質問に対して、全体の4分の3にあたる73%(765人)が「変わった」と答えました(グラフ1参照)。この割合は前回調査とほぼ同じで、3.11の震災および東京電力福島原子力発電所事故が発生後3ヶ月の今も多くの日本国民の「日本のエネルギー観」に影響を与えていることがわかります。考えや意見がどのように変わったかを自由記述で尋ね、その回答を分類したところ、意見が変わった人の37%(286人)が「原発の安全性に対する信頼が揺らいだ」、24%(86人)が「節電・省エネ意識が高まった」と答えました(グラフ2参照)(注)。「原発の安全性に対する信頼性が揺らいだ」のコメントでは、「原子力発電所は何か起きたときにこんなにも与える影響が大きいのかと、その怖さをあらためて感じた」「原発は危険」など危険性を強く感じたという声が多く、その結果として「原発は止める方向で進めるべき」「原発容認から反対へ」「もう原子力発電はいらない」という意見が多く見られました。「エネルギー全般に関するコメント」では、「今までよりもエネルギーについて真剣に/自分のこととして考えるようになった」「これまでいかに原発に依存していたかを感じた。他のエネルギー源へのシフトが必要」「電力供給への不安を感じる」などのコメントが見られました。

エネルギーの中でも暮らしや経済にとって特に重要な電力について、詳しく尋ねました。電力の課題には「量」(どのくらいの電力を使うのか)と、「質」(その電力を何で発電するのか)の2つがあります。また電力に関するシフトを考える場合、「時間軸」を意識することも重要です。特に発電所を作るなどの供給側はシフトに数年~数十年かかる場合も多いからです。今後のエネルギーについては「今日明日にどうしたいか」と「長期的にどうしたいか」を分けて考える必要があります。今回の調査では、日本のエネルギーを「長期的にどうしたいか」に関する意識を尋ねました。

まず電力の「量」について聞きました。「30年前の日本が使っていた電力の量は現在の約半分だった。30年後の日本が使っている電力の量は、現在と比べてどうあるのが望ましいか」という質問に対して、52%が「減っていることが望ましい」、39%が「変わらないことが望ましい」、9%が「増えていることが望ましい」と答えました(グラフ3参照)。前回と同様、半数強が「長期的には日本の電力消費量は減少すべき」と考えていることがわかります。望ましい減少の割合を尋ねたところ、20~29%の答えが最多で、次が30~39%、全体の「望ましい削減割合」の平均値は28%でした(グラフ4参照)。

次に、電力の「質」について聞きました。30年前の日本の電源構成と現在の日本の電源構成の2つのグラフを示した上で、「30年後の日本の電源構成は現在の電源構成に比べてどうなっていることが望ましいか?」と尋ね、「水力」「天然ガス」「石炭」「石油等」「原子力」「水力以外の自然エネルギー(太陽、風力、地熱など)」の各電源について、望ましいのは「大きく増加」「やや増加」「変わらない」「やや減少」「大きく減少」「ゼロになっている」のいずれかを答える形で望ましい構成比の増減を聞きました。

30年後の原子力発電については、29%が「ゼロに」、35%が「大きく減少」、20%が「やや減少」と、全体の84%が減らす(ゼロを含む)ことが望ましいと考えています(グラフ5参照)。前回調査では、22%が「ゼロに」、28%が「大きく減少」、22%が「やや減少」と、全体の72%が減らす(ゼロを含む)ことが望ましいという回答でした。3ヶ月たっても原発事故が収束しない状況などを受けて、原子力発電をなくすまたは減らしたほうがよいと考えている国民が増えていることがわかります。

30年後の自然エネルギー(太陽、風力、地熱など。水力以外)は79%が「大きく増加」、17%が「やや増加」と、全体の96%が増やすことが望ましいと考えています(グラフ6参照)。前回調査では、30年後の自然エネルギー(太陽、風力、地熱など。水力以外)は78%が「大きく増加」、15%が「やや増加」と、全体の93%が増やすことが望ましいという回答でした。前回調査からの2ヶ月の間に、国民の自然エネルギー増加を求める気持ちがさらに強まっていることがわかります。

その他の電源の構成比の望ましい増減を見ると、「水力」は70%が増加を望み、「天然ガス」は44%が増加を望み、「石炭」は57%が減少(ゼロを含む)を望み、石油等は67%が減少(ゼロを含む)を望んでいることがわかりました(グラフ7参照)。それぞれの望ましい構成割合の増減の理由については尋ねていませんが、放射性物質の安全リスクのほかに、CO2排出量や資源の枯渇性、地政学リスクなどの要因が係わっているのではないかとうかがわれます。

なお、今回の調査では「菅直人総理の「発電電力量に占める自然エネルギーの割合を2020年代のできるだけ早い時期に少なくとも20%に増やす」との明言をどう考えるか」と尋ねたところ、22%「大きく評価する」、36%が「やや評価する」、12%が「あまり評価しない」、10%が「まったく評価しない」と答え、肯定的な評価が6割近くを占め、否定的な評価を大きく上回っていることがわかりました。(グラフ8参照)。

3.11から3ヶ月後の今回の調査、および3.11から約1ヶ月後におこなった前回調査との比較から、3.11の震災および原発事故が、日本国民の「今後の日本のエネルギー」に関する意識を大きく変えたこと、この2ヶ月の間にさらに「原子力は減らすまたはゼロが望ましい」と考える人が増えていることがわかりました。全体の約3割が「原子力はゼロにするのが望ましい」と考えています(前回調査では約2割)。他方、太陽、風力、地熱、水力などの自然エネルギーが増えることを望んでいる人もこの2ヶ月の間に増えています。

持続可能で幸せな日本の社会や経済を考える上で、エネルギー・電力のあり方はとても重要です。前回調査の結果に対して「震災・原発事故発生直後のショック状態が反映されたのではないか」という見方もありましたが、前回調査から2ヶ月後(震災・原発事故発生から3ヶ月後)の今回の調査結果からは、「原発は減らしていき自然エネルギーを増やしていく」エネルギーのあり方を求める国民が増えていること、政権の自然エネルギー推進の方向性を評価している国民が多いことがわかりました。

「いますぐどうあってほしいか」という短期的な視点ではなく、「30年後にどうあってほしいか」という長期的な視点で考えたとき、「安全性への信頼がゆらいだ原子力ではなく、自然エネルギーが大きな役割を果たす」暮らし・経済・社会を望んでいる人がさらに増えていることは、今後の政治に対する指針となると考えられます。

※本調査結果は、幸せ経済社会研究所の海外発信パートナーであるNGO ジャパン・フォー・サステナビリティを通じて、世界に発信いたします。(JFS:http://www.japanfs.org/ja/

※グラフはこちらからご覧ください。

(注)より正確な割合を出すため、表記を修正しました。(2011/6/15)

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