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環境・文化活動家 セヴァン・カリス=スズキ 聞き手 枝廣淳子 Interview08

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1992年の地球サミットから20年―
2012年のサミットに参加して

枝廣:
セヴァンさんは子どもとして地球サミットですばらしいスピーチをしたことで知られていますね。
セヴァン:
12才で参加した1992年のリオ・ジャネイロでの地球サミットから20年が経ち、私はふたたび2012年の地球サミットに参加しました。あらゆる政府が出席し、環境や開発に議論するサミットが開催されたのですが、最後に出された「宣言」がわくわくするものでなかったことに驚く人はいませんでした。

企業の影響力増大と危機に瀕するガバナンス

枝廣:
この20年間の変化をどう感じられましたか?
セヴァン:
セヴァン・カリス=スズキ

1992年の地球サミットからの20年間でいちばん大きく変わったのは、企業の政治への影響力の増大です。今では、企業の収益は、国々を全て合わせたよりも大きなものになっています。もしウォルマートが国だったとしたら、世界で57位の経済規模となります。

しかし、企業は、有権者に対しても責任をもちませんし、人々に対しても責任を持ちません。企業が責任を持つのは株主だけで、株主にとって最も重要なのは利益です。

2012年の地球サミットでわかったのは、「グローバルなガバナンスは危機に瀕している」ということです。世界のリーダーたちは、人類を良い方向にリードすることができません。あまりにも多くのやり方で、あまりにも企業に取り込まれてしまったからです。この気づきは、私にとってとても大きなものでした。

私たちは病んでいる民主主義を直さなければなりません。政府と民主主義の是正に取り組まなければなりません。とても大きな問題です。

また、ひどく増大している社会的不公正についても対処が必要です。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でオックスファムが、世界の最富裕層85人が世界人口の下層半分相当の富を占めているという報告書を発表していました。格差はますます極端化しています。

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