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ホーム > インタビュー > 太田 直樹(3):インタビュー

総務大臣補佐官 太田直樹 聞き手 枝廣淳子 Interview13

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変化の先導役は市民の力
長い時間軸でビジョンを描く

枝廣:
上り坂だと目の前を見てのぼっていけばいいのですが、下り坂になった時には10年、20年先を見て、あるべき姿やありたい姿のビジョンを描かないといけない。日本の官僚機構はそれが一番苦手ではないでしょうか。仕組みとしてないものですよね。国として長い時間軸でビジョンが必要なとき、どうやって折り合いをつけていけばいいのでしょうか。
太田:
難しいですね。
枝廣:
官僚ではなく、地方やNGOなら時間軸を伸ばせるから、そちらから変えていくということはどうでしょうか。
太田:
おそらく一度試みて、課題意識やモチベーションを含めて議論されたのは道州制だと私は思っています。一方で難しいなと思うのは、新しいパラダイムに関しては、日本では必然だったと思いますが、民主党政権のときに提案されたものが多くあると思っています。再生可能エネルギーも同じ話で、今はぐちゃぐちゃになっていますが・・・
枝廣:
幸福度もそうでしたね。
太田:
そこが今、複雑骨折みたいになっていると思います。霞が関の中でも個人個人では理解や知識、共感をもってくれる人がたくさんいるんですけれど、もう棚上げして、そこから降ろせないという感じなんですよね。それがすごく残念だと思っています。共感したり、思いを持ったりしている人が一定数いて、それがどういう動きになってくるのか、というのは期待していることのひとつです。
それからもうひとつ思っているのは、本来今の政権でやったほうがいいと思うのですが、公とかパブリックがやるのではなく、この20年で力をつけたNPOとか中間支援団体が作っていくものや投げかける問いが、変えていく先導役になれるのではということです。
枝廣:
なるほど。私は以前からもし神様がひとつ願いごとをかなえてくれるなら何をかなえてもらおうかなって空想するのが好きなんですが、官僚機構は2,3年で人事異動するでしょう、あれをなくしたいっていうのが、神様にお願いしたいことなんです。
太田:
え、もったいなくないですか、それ?(笑)
枝廣:
それが諸悪の根源だと思っているんですよね。海外の政府の方や企業の人と話すと、長く担当されているから言えることもあるじゃないですか、でも日本の官僚は言えないですよね。
太田:
それだけやっぱり専門性や継続性があればもっとできると思っていらっしゃる、ということですか?
枝廣:
本気度というか・・・私も官僚の人たちとお付き合いがあるので皆さんの気持ちもわかるんです。2~3年で異動するとわかっていると、次の人に迷惑がかかりそうなことは言えません。霞が関には本当に優秀な人がいっぱいいて、真心のある人たちが、こんなに大変な仕事をみんなにバッシングされながら・・・って思うんですが、その人たちが30年くらい自分の責任で仕事ができると思えれば、もっと大きなことがいろいろできると思うんですよね。
メディアもそうで、私はレスター・ブラウンの通訳をずっとしていたのですが、レスターが来日するたびに来る記者さんが違うんですよ、異動してしまうから。毎回ゼロからの取材で、ぜんぜん積み重ねができません。企業は今異動の期間が少し延びているし、環境・CSRは専門職にもなり連続性が出て、コミットメントができますが、あいかわらず官僚が難しいなと思っています。自分で受け取れると思えば、思い切ってボールを投げられますが、そういう仕組みになっていないんですよね。
太田:
新しい動きもでてきているのは、課長くらいのところでしょうか。5~6年くらいの期間で自分が何をしたいのかを作っていくというのが少しずつ出てきています。また、専門性を民間で磨いて戻ってくるというシステムが金融庁でありますね。
枝廣:
それはいいですね。
太田:
専門性とネットワークを持ち、しかも思いを持ってもう一度戻ってくるという人たちなので、モチベーションや能力がすごいですね。数ではまだまだ少ないのですが、キラキラ光るような人たちがでてきているなと思います。
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