マインドセットを変えて
すてきなことの連鎖をつくろう
- 枝廣:
- 最後に、日本を変える、霞が関を変えるといった点についてもう一度お聞きしたいです。もともと心理学を学び、どう人を変えるかという勉強をされたことからでも、何かいいヒントはお持ちですか?
- 太田:
- そうですね、人間の判断というのはあやふやだということが僕の根本にあります。
- その上ですごく大事だと思うのは、マインドセット(ものの見方や考え方、価値観など)を変えるということです。なぜ大事かというと、いろいろなことが連鎖していくためには自由にならないといけないからです。マインドセットが変わらないと、今起こっているすてきなことが世の中で連鎖していかないということです。
- マインドセットは難しいようで簡単に変わることもあります。僕はキャリア的には大成功した人間かもしれませんが、夜寝ているとロクな死に方をしないと思いながら毎日生きてきたわけです。
- それがいろいろあって、ダイアローグ・イン・ザ・ダークやお手伝いしていた経営者の寺子屋を通じて、今また違うことをやっている。振り返ると人からはすごく変わったと言われるんですね。なぜ変わったかというと、時間の使い方とか、人とどこで会うか、どこに行くか、というのを変えただけだったりもします。実は意外と小さなところでそういう変化がたくさん起こると、臨界状態みたいになっていろんな物事が変わっていく。変わるというのは割と単純なことなのかもしれません。
- もう少し具体的に言うと、歌とか踊りで自分の行動や会う人が変わったりするきっかけがどこかで起こらないかなと僕自身いつも妄想しているんですよ。ちょっと知らない場所に行ってみようとか、明日は自分と違う価値観をもっている人と会おうとか、自分のマインドセットが変わるきっかけになる、行動の変化が起こる運動みたいなものは大事だと思います。難しいものはダメだと思うんですね。
- 枝廣:
- 太田さんの人生のなかでも大きな変化が起こる可能性を感じていらっしゃいますか?
- 太田:
- それは感じていますね。いまちょうど、何かがバーンと変わる手前くらいにいると思っています。すごくおもしろい時代だと思います。
- 枝廣:
- またぜひその変化を聞かせてください。いろいろ楽しいお話をどうもありがとうございました。
太田 直樹(おおた なおき)
総務大臣補佐官(インタビュー当時)
東京大学文学部卒業。英ロンドン大学経営学修士(MBA)。モニターカンパニー、ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナーを経て現職。地方創生、ICT/IoTの政策立案・実行を補佐している。社会システム変容を支援するプラットフォームである「コクリ!プロジェクト」のアドバイザー、教育によって地方を変えることを目指す「一般財団法人地域・学校魅力化プラットフォーム」の評議員、多様性あふれる共生社会を食材ピクトと社会教育で実現することを目指す「特定非営利活動法人インターナショクナル」の理事も務める。
翻訳書:『いま起こりつつある"かすかな兆候"を見逃すな!-競争優位戦略の視座』(ジョージ・ストーク著、ファーストプレス、 2008年)
※ご役職、内容などはインタビュー当時のものです。
- コクリ!プロジェクト
- http://jrc.jalan.net/cocre/
- 一般財団法人地域・学校魅力化プラットフォーム
- https://www.facebook.com/c.platform.or.jp/
- 特定非営利活動法人インターナショクナル
- https://www.designtodiversity.com/