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2024年9月30日、英国最後の石炭火力発電所であるラットクリフ・オン・ソア発電所(イングランド中部)が深夜0時に操業終了したことを複数のメディアが報じました。これにより、英国の石炭火力発電の142年の歴史に幕が下ろされました。石炭火力発電所発祥の地であり、産業革命を支えた英国でのこの変化は、歴史的な転換点といえます。
石炭火力発電所の全廃はG7諸国では英国が初となりました。英国は2015年、気候変動の目標を達成するための対策として、10年以内に全ての石炭火力発電所の操業を終了する計画を発表しました。当時、英国の電力供給における石炭の割合は約30%でしたが、2023年には1%強にまで減少しました。また英国政府は「2030年までに国内の電力需要を100%クリーン電力で賄う」という目標を掲げていますが、石炭発電所の操業終了はその実現に向けた大きな一歩となっています。
一方、日本では現在もエネルギー供給割合の約30%を石炭が占めており、英国のようなエネルギー転換は進んでいません。日本がこれからエネルギー転換を進めるにあたり、英国の事例から学べることは多いでしょう。
(新津 尚子)