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世界・日本の幸せニュース

ドーナツ経済学が明らかにする世界の限界

人間社会と地球環境を経済学に取り込む「ドーナツ経済学」を提唱した英国経済学者ケイト・ラワースは、2025年10月1日のネイチャー誌で最新の調査結果を共同発表しました。2012年と2017年に続き、3度目の更新になります。

今回明らかになったのは、2000~22年の間に、世界のGDPは2倍以上増加したものの、生活に必要不可欠なものが不足している状況はわずかに改善しただけでした。SDGs目標に沿って、2030年までに世界のすべての人の社会的ニーズを満たすには、今の5倍の速さで改善させる必要があること。また、環境については9分野中6分野で負荷の限度を超え、2050年までに地球システムを確実に安定させるには、今の2倍の速さで回復させなくてはならないことです。

さらに193カ国を「貧困国」「中所得国」「富裕国」のグループに分けて分析。所得水準が高いほど社会面での不足が改善され、環境面での超過は悪化していることが明らかになりました。

「富裕国」(世界人口の15%)では、社会面で不足している割合は全体のほんの2%ですが、環境面で超過している割合は全体の44%にもなります。一方、「貧困国」(世界人口の42%)では、環境面での超過は4%にとどまっていますが、社会面での不足は63%にも上ります。

こうした傾向や不平等は、経済成長に頼るのではなく、人間のニーズと地球の健全性を優先した再生と分配の経済活動に舵をきる必要があると改めて示しています。

(佐々 とも)

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エダヒロの「幸せへ!」コラム
新型コロナウイルスに負けないために国内外の素敵な取り組みを知ろう!

幸せ経済社会研究所 主催「幸せと経済と社会について考える読書会」のご案内

日時:2026年1月23日(金) 18:30~20:30
会場:オンライン
●課題書:『対立を超える日々の実践ー他者と根源から関わり、複雑なシステムを変える七つの習慣』(著:アダム・カヘン)

過去の読書会の音声講座も販売しています。

 
 

Quotational phrase

「成長に殺されるまで成長し、自分の葬儀代をさらなる成長として計上せよ」というルールからは卒業しなくてはならない。

ハーマン・デイリー(経済学者)

参考図書&リンク

参考図書

対立を超える日々の実践──他者と根源から関わり、複雑なシステムを変える七つの習慣
対立を超える日々の実践──他者と根源から関わり、複雑なシステムを変える七つの習慣

地道で、厄介で、複雑で、対立的で、思い通りにならない問題に取り組むあなたへ。 「無力感」に呑み込まれず、必要な変容を生むために必要な他者との関わり方とは?南アフ...

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WEALL(幸福経済アライアンス)
WEALL(幸福経済アライアンス)

幸福経済アライアンスは、新しい経済運動に関する長期的な取り組みを基盤として、経済の枠組を成長至上主義から離し、協力と繁栄の共有へと移行させる可能性を実証する既存の取り組みや、新たな取り組みを拡大することを目指します。
※参考情報(幸せニュースより)
「幸福経済アライアンス」立ち上げられる
https://www.ishes.org/happy_news/2018/hpy_id002552.html

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