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NGOコペルニクの共同創設者 兼 CEO中村俊裕 聞き手 枝廣淳子 Interview09

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テクノロジーを普及させるために必要な最初の資金は、世界中からの寄付でサポート

枝廣:
なるほど。テクノロジーを持っている企業と、そのテクノロジーを途上国で広げていく現地パートナー、それから、3つめのプレーヤーが寄付者ですね。寄付者はどういうもので、どのような役割を果たしているのですか?
中村:
個人・企業がほとんどですね。あと、財団が少しと、今年から政府系も少し入ってきそうです。そういう寄付者からのお金を使って、主に最初の製品の購入代と輸送費をまかなっています。実際にモノを持っていってテクノロジー・フェアをやるときには、そのコストもカバーしてもらいます。つまり、まず「知ってもらう」というところのお金を出してもらっている感じです。
枝廣:
そういったサポーターは、各国にいるのですか?
中村:
そうですね。個人は本当にグローバルで、アメリカと日本の2ヶ国が大きいところですが、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアにもいます。企業もそうですね、いろいろなところが支援してくれています。

農村部のおばちゃんの売店に販売を委託する、
テクノロジー・キオスクの取り組み

写真:インドネシアのバリ島デンパサールにある、テクノロジーキオスク
インドネシアのバリ島デンパサールにある、テクノロジーキオスク
枝廣:
そうして進めてこられたこれまでのプロジェクトの中から、いくつか、具体的なプロジェクトの内容を教えてもらえますか?
中村:
ええ、東ティモールに最貧のオクシという県があるのですが、そこで活動しているスタッフ5人くらいのNGOとのパートナーシップでやった事例があります。このNGOとはいろいろなことをやって、最終的には、オクシ県の世帯の半分にソーラーライトを持っていきました。
その後で調査をしたところ、以前は灯油をたくさん使っていたのが、その使用量がすごく減っている。ということは、支出が減るんですよね。以前は、月7000円の支出のうち1400円くらい、つまり20%を灯油に使っていたのですが、ソーラーライトを使うようになったあとは、月100円以下になりました。それに、夜の時間の使い方も変わり、内職する時間も延びました。県の半分の世帯をカバーしたということで、これはすごくうまくいった取り組みのひとつですね。
写真:D.ライト S20 ソーラーライト
D.ライト S20 ソーラーライト
もうひとつは、今、売店と一緒にやっている、tech kiosk(テクノロジー・キオスク)というものです。農村部に行くと、日本の田舎でもそうですが、売店がありますよね。おばちゃんがやっているたばこ屋をもっと質素にしたような売店がインドネシアにもあって、みんなそこでお菓子やコーヒーなどを買ったりしています。
この人の流れと、我々のビジネスとをうまくつなげられないかなと思って、「ソーラーライトや浄水器などを置いて売ってくれたら、商売にも良いよ」と話をしに行きました。すごくうまく行っています。今までに、50店舗以上のテック・キオスクをインドネシアに作ったのですが、人々はそこに買いにくるし、売店の収入がすごく増える。だから、彼らの生活もだいぶ楽になる。いまこれに力を入れてやっていこうとしています。普及の仕方の一つですね。
写真:NAQWA® SWR SPRING 浄水器
NAQWA® SWR SPRING 浄水器
枝廣:
売店は売るまではお金を回収できないですよね?
中村:
ええ、だから委託でやります。最初から「買え」というとどこもやりませんから。我々ももちろんお金を循環させたいのですが、利益だけを求めてやっているわけではないので、そのあたりは我々がリスクをとって「売ったら返す」やり方で行うと、「じゃあ、やりたい」となります。

テクノロジーの普及とビジネスモデル

枝廣:
素敵ですね。実績を出しつつ、寄付者も広がり、ビジネスモデル的には良い感じで回っているようですね?
中村:
なにを良い感じというのかですが(笑)、なんとか生きながらえて活動を続けられています。幸い、組織の規模も毎年30~70%くらいの成長率で伸びているので、傾向としては悪くないと思っています。
自分たちのように、あるテクノロジーを持っていって、人がお金を払う形で普及させるということをやっていると、いろいろな企業からの、「こういうアイデアがあるのですが」「こういうものはテストできないですか?」という話が増えてきました。我々はそういう依頼に対して、コンサルティング・フィーをもらいながらやっています。そういう自己収入をもう少し増やせれば、もっと回りやすくなるかなと思っています。
枝廣:
今、スタッフは何人くらいなのですか?
中村:
今、50人越えたくらいですかね。
枝廣:
たくさんいるのですね! スタッフの方もグローバルなのですか? 
中村:
そうですね。ほとんどがインドネシア人ですね。その次がオーストラリア人かな。日本人は4人で、ほかにも、フランス人、スイス人、ドイツ人、オランダ人のスタッフもいます。
枝廣:
中村さんはインドネシアを拠点に、日本に来たり、米国やあちこちに行ったりしているのですね?
中村:
そうですね。日米以外だと、シンガポールが多いかな。シンガポールは今、アジアの中でもソーシャル・ビジネスのハブになろうとしている国の一つで、いろいろな会合が行われるので、よく行きます。
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